博多豚骨ラーメンズとデュラララ!!のコラボ小説を読んだ話。

※ネタばれを大いに含んでいるので注意。

私はデュラ民なので、デュラの話題中心です。

 

 

読んだ勢いのままこのブログを書いてるんですけど、言わせてください!!!

 

最高でした!!

木崎ちあき先生ありがとう!!!

 

 

どうして今コラボ小説なのか?

この本の初版は、2016年10月。

デュラのスピンオフ『折原臨也と、喝采を』と同時発売されました。

当時、ちょうど電撃文庫でフェアをやっていて、コラボカードが貰えたのもあって一緒に買ったんですけど、なんと今日まで読まずにインテリアにしてたんですよ。自分の横っ面をぶん殴ってやりたいですね。貴様~!こんな面白い作品を~!

というのも、登場人物がとにかく多く、デュラだけしか履修してなかった私にはいささかガソリンが足りなかったんですね。燃え上がるための。

で、そんな私がなぜ今になって急に重い腰を上げたかというと、現在絶賛放送中の博多豚骨ラーメンズのアニメを見たからなんです。

 

みなさん博多豚骨のアニメ見てます?

デュラで仲良くしていただいてる方々が口をそろえて面白いっていうので、「マ?」と思いながら若干ね、斜に構えながら見たんですよ。そんなに面白いんかと。

 

ばり面白かった。

疑ってすいませんでした。

 

原作本も買おうかな~と思ってるところで、「そういえば昔デュラがコラボしてたっけ?」って思い出しました。

今の私なら読める!何故なら博多豚骨を履修したから!

そういう謎の自信とともに長らく大事に飾っていたインテリアに手を伸ばしたのでした。

 

池袋という街の魔力 

今回、この本は『博多豚骨ラーメンズ』(以下、博多)の著者である木崎ちあき先生が執筆されていまして、成田神は監修としてのポジションにいます。私読みながら途中まで成田神と木崎先生の合同執筆なのかと勘違いしてた。目が悪い。頭も悪い。

あとがきを読んで木崎先生が「ビッグタイトルとコラボさせていただいてありがたい気持ちと同時にプレッシャーが半端なかった」ってこぼされてたのを見て、本当にお疲れさまです……という気持ち。素晴らしい作品をありがとうございます。

 

いや本当に面白くてですね、私が小中学生とかいう多感な時期に読んでいたら池袋や新宿が悪のネバーランドだと思い込んでいたし、将来の夢とかに『殺し屋』とか『賞金稼ぎ』って書いてたと思うからこんな面白い作品を軽率に世に出さないでくれ。

 

さて、既に本作を読んだことがある人はご存知かと思いますが、舞台はデュラのホームタウンである池袋です。あとまれに新宿。

 

池袋。2010年にデュラにはまってからというもの、この街の名前を見聞きするだけで心が躍ります。えっ…待って…?もう8年前…?

表紙もそうなんですが、巻頭の扉絵、物語の導入も、随所にデュラのオマージュが散りばめられています。愛を感じる。

博多から野球遠征のためにやってきた馬場さんとリンちゃんが初めて足を踏み入れる池袋の地、そこで最初に出会うキャラクターが「竜ヶ峰帝人!何この展開!熱い!

いや~~~~~!?こんなことってある…?頭抱える……。

 

道に迷っていた馬場さんとリンちゃんを東口に案内してあげる帝人君、控えめに言っても天使。かわいい。百点。

 

「僕は、竜ヶ峰帝人です」

「竜ヶ峰くん?なんか、エアコンみたいな名前やねえ」

(P28 8行目)

 

最高。

人ごみの中を慣れたように進んでいく帝人くんを見て、感慨深い気持ちになりました。今回正臣くんは出ないんですけど、帝人くんの口からそれとなく語られるのを見て喉が変な音を立てましたね。やめろ加齢で最近涙腺が弱いんだぞこっちは。

作中、博多勢が慣れない池袋の地で迷子になる場面が何度かあり、そのたびに帝人くんがふらっと登場して案内してあげるんですけど、やっぱり池袋の妖精さんか何か…?道を間違えた人を正しい道に導く池袋フェアリー。出会えるといいことがあるかも! 

 

道を案内する帝人くんに興奮して私が道を見失ってしまった。

えっと、なんだったかな…あ、そうだ。本作のメインは博多メンバーなんですよね。だから、デュラとコラボだ~!っていうテンションで突っ込むとカウンターパンチを食らいます。

作中登場するデュラのメンバーは、セルティ、帝人くん、静雄、臨也、トムさん、サイモン、誠二くん、張間さん、葛原さん…ってとこでしょうか。抜けてたらごめんね!

※直接登場はしませんが、会話の中で正臣くん、六条(To羅丸)も登場します。

 

それぞれ登場シーンは少ないのですが、第三者の目を通した自分の推しの姿を読むのって私大変性癖なので…楽しく読ませていただきました。特に静雄くんに関する文章!!

 

 

俺に平和島静雄を語らせろ

そろそろ、彼について話させていただこうと思います。

 

平和島静雄くんについて!!

僕はこれが書きたくてこのブログを書いたんだ!!!

 

前置きが鬼のように長くなってしまった、静雄くん……静雄くんが最高で……。人間って尊いものを前にすると語彙力を失う。箇条書きにしたら言葉出てくるかな。久しぶりに活字媒体で平和島静雄を摂取したので混乱してます。

拙者腐女子でありオタクで候。なので、二次創作をしていたりすると、おれがおもうさいきょうのしずおを脳内で作り出してしまうんですよね。だから定期的に原作とかを読み返して正気に戻らないといけない。

今回は木崎先生の描かれた平和島静雄だったんですが。

 

そう、これが平和島静雄だよ。

 

と初心にかえらせていただきました。静雄くん、かっこいい~…!

え……何?やば…この金髪でサングラスかけたバーテン服の青年かっこよすぎません?

平和島静雄くんっていうんですけど。

 

木崎先生が書いても、静雄くんはチンピラ男にナイフで服を破かれる。お前はToLOVEるなのか?セクシー要因担当ですね間違いなく。ルパンでいうところの峰不二子。服が破ける奴はヒロインって相場が決まってるんだ。

トムさんも保護者としてだいたい一緒に登場してるので、田中トム推しの人見てますか?もし読んでなかったら読んでください。(ダイマ

 

本作では、なんと静雄くんが野球をします。

もう一回言います。静雄くんが野球をします!

 

博多豚骨ラーメンズは9人きっかりの野球チームなんですが、残念ながら別件の仕事が入ってしまい、一名欠員がありました。その枠に、野球初心者の静雄くんが大抜擢されます。馬場さんによって。

 

静雄君の、

標識を引っこ抜いてフルスイングしている姿を見て「いい筋しとる!」

自販機を投げる姿を見て「かなりの強肩たい!」

と静雄のフィジカルを大絶賛してくれて私が大感激。静雄くん本人は野球チームに勧誘されたとき、戸惑ってましたけど、そんな姿もかわいい。

なんか木崎先生の書かれる静雄くん、ちょっと不愛想でクールなんですよね。これが萌えってやつか、と私の中のメスの部分が騒ぐ。

一番興奮したのは、遠征試合の後の打ち上げに誘われたにも関わらず「いや、仕事があるんで」

 

~~~~~~ッ……!(額に手を当て静かに天を仰ぐ図)

 

試合中の静雄の様子もダイジェストですが書かれてて、それがもう最高なんですよ。読んでくれ。読んだ?ちょっと~~~~、最高だったわよね~~~~!?

 

8番ライト・平和島静雄。

(P218 3行目) 

 

この一文だけでめっちゃ元気になれる。博多勢に、身体能力の高さを絶賛されていた静雄くん。こういうシーンってめちゃくちゃ貴重ですよね。彼らは池袋での静雄くんを知らないので、先入観なしで見たひとりの青年としての静雄くんなんですよ。

 

うれしいと同時に、なんだか切ない気持ちにもなりました。静雄くんが今の身体能力をつけられたのって、彼が怒りに任せて色んなものを壊してきた積み重ねの上に得たものなんですよね。「怒り」がなかったら、静雄くんにはもっと色々選択肢があったのかなぁなんて考えて、私はちょっぴりしんみりしてしまったのでした。

 

そういえば1点だけ。池袋の無礼キッズに絡まれて秒でキレてた静雄くん。その切れやすさを久しぶりに目の当たりにしたワイ、若干引くの巻。まぁそこがかわいいんですけど。

 

折原臨也という男

陰と陽があるように、静雄ときたら折原臨也と決まってるんだなあ。

今回、そんなに出番は多くないものの、きっちり出演してます。むしろその少ない登場シーンで魅せていく分、この男もなかなかに狡いなと思いました。

作中に姿こそ現しませんが、電話での音声で登場。本当に申し訳ないんだけど、「臨也さん、ちゃんと仕事してるんだな」なんて改めて思った次第です。重宝されてるし。

 

しかし、臨也さん。客相手に『もう調べちゃった』とかそういう口調してるの?いい加減にしろ。かわいいが過ぎるぞ。俺は怒ってるんだ。

 

ほかにも俺は怒ってる。思わずフフッとしてしまったんだけど、臨也さんって鍋キャラ扱いなのかな?デュラの中で一回も鍋食べたことないのにね。かわいい。キレ。

 

『ひとつ、忠告しといてあげる』

「忠告?」

『池袋に行くことがあるなら、バーテン服を着た男には注意したほうがいい。これがまた、とんでもない男でね』

 (P228 7行目)

 

臨也さんこういうところあるよね~~~~!!

毎回池袋初めてです!とかの人に自分の彼氏ネガキャンするのやめな?と思うんですけど、これは一種の牽制ですよね。そいつは俺のだから手を出すなよっていう。そういうの大好きです。

多分電話切ったあとに静雄くんの最近の動向めちゃくちゃ調べただろうし(気になるととことん調べ上げる性格してると思う)、その後怒って嫌がらせをしたり、波江さんに「ねぇ、野球興味ない?」とか言って「は?」って言われてる。そういうとこある。

 

あと私、臨也さんの電話口で唐突な話振られて困惑したときの「は?」とか「え?」が好きなんですけど、同じような奇特な性癖の方いらっしゃるでしょうか。友達になってください!

 

さて、本作では二人の情報屋が登場するわけですが。

榎田くんと、臨也さん。

表紙めくって直で「情報屋、全面対決!」みたいな構図のイラストがド派手に出迎えてくれるんでおっ?この本はそんな感じの話か?と思ったら違った。ドンパチすることはなかったものの、似たような性質は持ちながらも、対照的な部分のある二人をよく表してるなとも思いました。

まず、装いからして違うもんね。臨也さんは黒で統一してるけど榎田くんは金髪のマッシュルームヘアだし、着てる服も派手だし。仕事に対するスタンスも違う。

こはちょっと気になったので微妙に掘り下げてみようと思います。

 

二人の情報屋

 そもそも情報屋って仕事はなんなのか?と思うんですけどね。

実際に存在するらしいのはわかってるんですが、私の中では都市伝説のようなもので。

多分、八百屋さんとかお花屋さんとかいうように、情報屋さんもまた情報を売り買いしてるお仕事なんだろうな~という認識に留まっています。

そんな情報屋さんを生業としている、榎田くんと臨也さん。榎田くんは天才ハッカーでそういう電脳系統にアドバンテージをもつタイプの情報屋で、臨也さんも多少はハッキングの心得はあると思うんですけど、『人』を動かして情報を得るタイプの情報屋さんです。

※いや、まだ『博多豚骨ラーメンズ』はアニメだけのにわかで原作まだ追えてない人なんで話半分に聞いてほしいんですが、少なくとも本作ではそう感じました。

 

纏う雰囲気や、情報に対する好奇心については似てます。悪戯心があるところとか、猫っぽくてかわいい。情報屋ってみんなこうなの?好きな男のタイプにこれから情報屋って書こうかな。

 

でも、決定的な何かが違う。それはたぶん、『情報に対するスタンス』。これが原因ではないかと考えました。

 

「あの人のことは、あれこれ詮索したくないんだよ。……っていっても、キミにはわからないだろうけどさ」

(P227 12行目)

この世には、知らなくていいこともある。知らなくていいことが多すぎる。

(P227 17行目)

 

臨也さんに「君ほどの腕があるなら俺に頼まずとも調べられるだろ?彼女の男性遍歴とかどんなことでもさ」……みたいなことを言われた榎田くんのセリフとモノローグなのですが、このあたりが一番顕著かな。

榎田くんが「好きだからこそ、知りたくない」と思うのであれば、臨也さんは「好きだからこそ、知りたいんじゃないの?」って感じ。ここなんですよね。

 

榎田くんがどうして情報屋になったか、まだ私は知らないんですが、臨也さんは彼が謳う『人間愛』からきてるわけです。さっき榎田くんと臨也さんを2つのタイプ分けをしたと思うんですが、言い方を変えると榎田くんは『自己完遂型』で臨也さんは『他者依存型』。榎田くんは自分だけの能力で(ほぼ)情報を得ることができるけど、臨也さんは人ありきなんですよね。ここ重要だと思います。

 

今回、榎田くんは自分の儲けのために、嘘の情報を教えました。臨也さんからしたらご法度です。まぁ、自分のホームグラウンドじゃない池袋でやらかしても痛くもかゆくもないからかもしれないんですが、臨也さん情報に関しては嘘はつかないじゃないですか。知ってて黙ってることはあれど。

それは臨也さんのお仕事は信頼関係で成り立ってるからであり、臨也さん自身の能力は限られてるので、だいたい事を為すときは他者を利用からなんですよね。なんでもそつなくこなしちゃうけどね。

 

あと、榎田くんにとって情報屋ってそんなに重要な仕事ではないと思う。好きなことしてお金になる、って感じ。臨也さんは別に営利目的ではないだろうし、あの人もうサラリーマンの生涯年収をはるかに超えた資産もってるだろ。か~っ!私も静雄くんを観察する仕事につきてぇなあ!(大の字)

 

そんなこんなで、二人の情報屋の対比でした。

真面目にいろいろ書いてしまったし、なんなら静雄くん語ってる文よりも多い……。本命にチョコを渡せないタイプの女です。

 

終わりに

こんなはずじゃなかった。

 

いやもっと書きたいことあったはずなんですよ。馬場さんとリンちゃんのやり取りが最高だった、とか、榎田くんの初恋の甘酸っぱさにきゅんとした、とか、ラビとら派かとらラビ派か?とかいう。私はラビとら。

 

いや~でも、今字数見たらもうすぐ6,000字超えるんですよね。どんだけデュラに対する愛を拗らせてるんだ?こんな最後まで目を通してくれてる人いるんですかね。読んでくださってありがとうございます。

 

最後に改めて言わせていただきたいのですが、最高に面白かったです!

展開が本当に見事なんですよ。文章の構成能力の高さ、中でも一番光ってたのが本編最後の『延長戦』の章。

博多に戻った馬場さんたちが今回仕事で欠場してしまった佐伯さんに池袋での出来事を話す物語と、博多から同窓会に参加するため東京に来た新田と猿渡の物語、この2つが同時進行します。

 

野球でダブルプレーって見たことありますか?

ゲッツーとも言われます。

 

ダブルプレー【double play】

野球で、守備側の選手が、連続した動作で二人の走者、または打者と一人の走者をアウトにすること。ゲッツー。併殺

大辞林 第三版) 

 

これ、見るとめちゃくちゃ気持ちいいんですよね。特に見てて気持ちいいのは6-4-3(ショートー二塁手一塁手)の連携って言われてるんですが。

まさに読んでいて、その快感が『延長戦』にありました。そういえば馬場さんとリンちゃんて二遊間コンビなんですよね。いや木崎先生天才ちゃう?やっぱり『博多豚骨ラーメンズ』一巻から読もう……。

 

それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。